化学反応式とは?一覧は「物質の変化」と係数の意味で読む

化学反応式は、どの物質が別のどの物質へ変化したかを、化学式と係数で表した式です。左辺に反応する物質、右辺にできる物質を書きます。いちばん大切なのは、式の前後で原子の種類と数が合っていることです。一覧を暗記するより、「何が変わり、何が保存されているか」を読める方が問題に強くなります。

まず「化学式」と「係数」を別のものとして見る

水を表す H2O の下付きの2は、一つの水分子に水素原子が2個あることを表します。この下付き数字を勝手に変えると、別の物質になってしまいます。

一方、

2H2+O2→2H2O

の先頭の2は係数です。これは化学式そのものを変えず、粒子の個数や物質量の比を表すために付けます。

「Hの数が合わないから H2O を H3O にする」のは誤りです。物質を表す化学式は固定し、数を合わせるときは係数を調整すると分けてください。

反応式は「原子の在庫表」として確かめられる

水素と酸素から水ができる反応を、

H2+O2→ H2O

と仮に書くと、左辺のOは2個、右辺のOは1個で合いません。

そこで水を2個にして

H2+O2→2H2O

とすると右辺のHが4個になります。左辺の水素も2分子にして、

2H2+O2→2H2O

なら、Hは左右4個、Oは左右2個です。

係数合わせは「見た目を整える作業」ではなく、反応前後で原子数が保存されるようにする作業です。

よく出る反応は「型」で読む

化学反応式の一覧を見るときは、式だけを一列に覚えず、反応の型を添えます。

  • 物質どうしが結びつく
  • 一つの物質が複数に分かれる
  • 酸素が関わる酸化
  • 酸とアルカリの反応

たとえば炭素が酸素と反応して二酸化炭素になるなら、

C+O2→ CO2

です。この式では最初からCもOも左右で数が合っています。

同じ「燃える」反応でも、物質によって生成物や係数は違います。言葉だけで「燃焼ならこの式」と決めず、反応する物質と生成物を確認します。

つまずきやすいのは下付き数字と係数の混同

2CO2 と CO2 は同じ種類の物質を2個分と1個分で表した違いです。一方、CO と CO2 は一分子に含まれる酸素数が違うため、別の物質です。

問題で原子数を数えるときは、係数と下付き数字を掛けます。たとえば 3CO2 なら、Cは3個分、Oは 3×2=6 個分です。

この区別が曖昧なまま係数合わせへ進むと、正しく数えているつもりで物質そのものを書き換えてしまいます。

練習:酸化マグネシウムの式を整える

マグネシウムMgと酸素 O2 から酸化マグネシウムMgOができるとします。

まず

Mg+O2→ MgO

と書くと、Oが左2、右1です。右のMgOを2個にすると、

Mg+O2→2MgO

右辺のMgも2になるため、左のMgを2にします。

2Mg+O2→2MgO

これでMgは左右2、Oも左右2です。最後にすべての元素をもう一度数えます。

係数は「最も簡単な整数比」にする

両辺の原子数が合っていても、係数を全部2倍した

4H2+2O2→4H2O

のような式より、通常は共通因数で割った最も簡単な整数比

2H2+O2→2H2O

で表します。

分数係数を途中計算で使うことはあっても、中学・高校の基本問題では最後に整数比へ整えることが多いので、答案では指示を確認してください。

「質量が保存される」と「分子数が同じ」は別

化学反応の前後では、閉じた系で考える基本問題では原子の種類と総数が対応するため、全体の質量も対応します。しかし、左辺と右辺で分子の個数まで同じになる必要はありません。

水生成の式では、左辺は水素2分子と酸素1分子、右辺は水2分子です。分子のまとまり方が変わるので、分子数は3から2へ変わっています。それでもH原子4個、O原子2個という材料の総数は一致しています。

「保存されるもの」と「組み替わって変わるもの」を分けると、化学反応を記号合わせではなく粒子の組み替えとして理解できます。

反応式だけでは速さや起こりやすさまでは分からない

正しい化学反応式が書けても、その反応が常温ですぐ起こるか、加熱が必要か、どのくらい速いかまでは式の係数だけでは決まりません。

また、実際の反応では副反応や条件が関わることもあります。学校の基本問題では代表的な反応と理想化した条件を扱うため、「式が書ける=現実の反応条件を全部説明できる」とは考えません。

化学反応式は、主として物質の種類と量的な比の骨組みを表すものだと位置づけます。

反応式から量の計算へ進むときは係数を「比」と読む

化学反応式を正しく書けると、次は係数を物質量の比として使えます。たとえば水生成の式なら、水素・酸素・水は2:1:2の比です。

ただし、係数2だから「2g」という意味ではありません。質量へ直すには、それぞれのモル質量が必要です。化学反応式が示す比と、実際の質量を同じものにしないことが次の学習への橋になります。

次の問題では「物質を決める→数える→係数を直す」の順にする

化学反応式を書くときは、最初から係数だけを当てようとしません。

  1. 反応物と生成物の化学式を正しく書く。
  2. 左右の元素ごとの原子数を数える。
  3. 係数だけを変えてそろえる。
  4. 最後に全元素を再確認する。

この順なら、反応が変わっても同じ方法を使えます。係数合わせの詳しい考え方はこのページが中心です。練習問題では、この方法を使って自力で式を完成させることが目的になります。

参考資料

  • 文部科学省「中学校学習指導要領・解説」
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領・解説」
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