鏡に当たった光はどこへ進む? 反射する角度を紙で確かめよう

懐中電灯の光を鏡に当てると、壁や机の別の場所に光が移ります。鏡をほんの少し動かすだけで光の位置が大きく変わるのは、反射する向きに規則があるからです。ポイントは、光が鏡の面に対して何度で当たったかではなく、面に垂直な線から何度傾いているかを考えること。角度を測る基準を間違えると、反射の説明もずれてしまいます。

光は鏡で向きを変えます

光は、同じ性質の空間ではまっすぐ進むものとして考えられます。鏡のように表面が滑らかな物に当たると、一定の向きへまとまって反射します。鏡の前に立つと自分の姿が見えるのは、顔から来た光が鏡で反射して目に届くからです。鏡の奥に本物の自分がいるわけではありません。

白い紙にも光は当たって跳ね返っています。紙を横から見ても白く見えるのは、細かな凹凸によって光がさまざまな方向へ散らばるためです。「鏡だけが光を反射する」のではなく、反射した光の方向がそろいやすいかどうかが違います。

角度を測る「基準線」を決めます

鏡の表面に光が当たる点を決め、そこに鏡と直角になる線を一本引くとします。この線を法線(ほうせん)と呼びます。光が法線に対して何度傾いて入ってきたかを「入射角」、跳ね返って進む方向が法線に対して何度傾くかを「反射角」といいます。平らな鏡では、この二つの角度は等しくなります。

例えば入射角が30°なら反射角も30°です。「鏡の表面と光が30°をつくる」という意味ではないことに注意しましょう。鏡の面と入ってくる光の角度が30°なら、法線から測る入射角は60°です。基準を90°ずらして考えると、答えがまったく変わります。

紙に描くと反射の向きが分かります

横長の紙に一本の直線を引き、これを鏡の面とします。その直線上の一点から、直角に短い線を上へ引きます。この線が法線です。次に、法線より左へ30°傾いた線を描き、矢印を鏡へ向けます。鏡に当たる光を表します。右側へ30°傾いた線を描き、矢印を鏡から外へ向ければ反射光です。

「左右が同じ30°」と聞くと単純ですが、必要なのは法線を挟んで対称という関係です。入射光と反射光の角度を足すと60°になります。入射角が40°なら両方で80°、法線に沿って当てれば0°と0°です。数字を一つずつ変えるだけで進む方向を予測できます。

懐中電灯を使った実験の注意点

紙を机の上に置いて小さな鏡を立て、懐中電灯の光を斜めから当ててみましょう。反射した明るい場所がどこにできるかを観察します。鏡の下に角度を描いた紙を置くと、向きを変えたときの違いを比べやすくなります。実際の懐中電灯は広がりのある光を出すので、教科書に描く一本の細い線と完全には一致しません。光の中心方向を目安にして比較します。

太陽の光を鏡で人の目へ向けたり、レーザーを使って実験したりしないでください。強い反射光は危険です。室内の弱い懐中電灯を使用し、人や動物の目に光を向けないようにします。

鏡を回すと光の方向はどう変わる?

反射の法則から、入ってくる光の向きを固定して平面鏡だけを小さく回すと、反射光の向きは鏡の回転角の約2倍変わることが分かります。鏡を5°回せば、反射光の方向は約10°動くということです。これは平面の上で同じ位置に光を当て、角度だけを変えたときの関係です。反射した光が壁の上でどれだけ動くかは、さらに壁までの距離も関係します。

遠くの壁に映った光の点が大きく移動すると、鏡の角度を大きく変えたように感じるかもしれません。けれど、角度と壁の上の移動距離は別の量です。同じ角度だけ方向が変わっても、近くの壁では小さく、遠くの壁では大きく動きます。

鏡に見える左右の反転をどう考える?

平面鏡が反転させるのは、鏡面に垂直な前後方向です。左右が逆に見えるのは、鏡の中の自分と向かい合う人を頭の中で重ねて比べるためです。右手と左手を鏡へ平行に動かして、像の動く方向も確かめましょう。

鏡に右手を上げた自分が映ると、鏡の中の人は向かい合った相手のように見えます。鏡が左右だけを入れ替えたように感じますが、平面鏡で重要なのは前後方向に対応する光の経路です。どの点から出た光が、どこで反射し、目に入ってくるのかを追うと、鏡像が鏡の奥にあるように見える理由を考えられます。

「鏡は左右をひっくり返す」という短い言葉だけでは、像の向きや距離の問題まで説明し切れません。ここでも、何を基準に向きを比べるかが大切になります。

反射を理解すると、予測ができます

鏡をどの方向に動かせば壁の光が上がるか、どんな場所に鏡を置けば曲がり角の先が見えるか。反射の法則を知っていれば、試す前にある程度予想できます。その予想と実験結果が違ったときは、角度の測り方や鏡の傾き、光源の位置を見直します。

結論は入射角=反射角。ただし、この式は「法線から測る」という条件付きです。短い式ほど、何をどこから測った式なのかをセットで覚えておくと、初めての場面でも使えます。

大きな鏡と小さな鏡で角度は変わる?

平面鏡が大きいから反射角も大きくなるわけではありません。同じ向きに置いた平面鏡へ同じ方向から光を当てるなら、入射角と反射角の関係は同じです。鏡の大きさは、光が当たる場所や受け止められる光の範囲には影響しますが、基本の反射の法則そのものを変えるものではありません。

ここで「量」と「向き」を混同しないようにします。大きな鏡がより多くの光を受けられる場合でも、光の一本一本がどちらへ反射するかは、その場所の面の向きで決まります。曲面鏡なら場所ごとに法線の向きが変わるので、光が集まったり広がったりする説明が必要になります。

反射の絵を描いたら、矢印も確かめよう

入射する光と反射する光の線を同じ色で描くと、どちらへ進んでいるか見失いがちです。鏡へ向かう矢印と鏡から離れる矢印を描き、法線を点線にすると区別できます。光の経路を後から逆向きにたどる考え方もありますが、まずはどの線が入射光かをはっきりさせます。

角度を測る問題で迷ったら、「鏡の面」「法線」「入る光」「出る光」の四つを見つけ、分度器を法線に合わせてください。言葉だけで覚えるより、絵を一枚描く方が確かな判断につながります。

参考資料

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