震度5とマグニチュード5は何が違う? 揺れの大きさを二つの数字で読む

地震のニュースでは「マグニチュード5.0」「最大震度5弱」など、数字が並んで出てきます。どちらにも5が付いていると、同じ大きさを別の呼び名で言っているように感じるかもしれません。

しかし、この二つはそもそも測ろうとしている対象が違います。マグニチュードは地震自体の規模、震度はある場所で観測された揺れの強さです。違いを理解すると、一つの地震で地域によって震度が違う理由も説明できます。

一つの地震に、震度はいくつもある

地震の観測装置で求めた「計測震度」は小数を含む値ですが、気象庁は定められた換算方法で震度階級に直して発表します。たとえば計測震度5.3は「震度5強」に相当します。

例えば、沖合で地震が起きたとします。震源に近い地域では大きく揺れ、遠い地域では小さく揺れることがあるでしょう。地面の性質や揺れの伝わり方によっても、揺れの強さは変わります。

地震は一回でも、揺れを観測する場所はたくさんあります。したがって、同じ地震に対して「A市は震度4、B市は震度2」といった違いが生まれます。

これに対してマグニチュードは、地震そのものをどの程度の規模だったかという観点から表す数値です。場所ごとに「A市のマグニチュード」「B市のマグニチュード」が独立に付くものではありません。

気象庁は、この違いを電球の明るさと、その周囲のある場所の明るさにたとえています。電球自体がどれだけ強く光るかと、離れた場所でどれくらい明るく感じるかは、同じではないということです。

日本の震度は0〜7の10階級

日本の震度には、震度0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7があります。数字だけを数えると0〜7の8種類に思えますが、5と6には「弱・強」があるため、全部で10階級です。

これは「震度5.3」といった小数を普通のニュースでそのまま伝える方式とは異なります。計測した揺れを一定の階級に当てはめて発表しています。

また、日本の震度の定義がそのまま世界中で使われているわけではありません。国や地域によって、揺れの強さを表す尺度が異なることがあります。外国の地震ニュースを比べる際は、どの指標を使っているかにも注意が必要です。

「震度7は震度1の7倍揺れる」という読み方もできません。 震度の数字は物理的な揺れの大きさをそのまま比例して表すものではないからです。

マグニチュードの数字は足し算の感覚で読まない

マグニチュードは、単純に数字が1増えたから規模が1つ分だけ大きくなるという尺度ではありません。地震の波の大きさや地震全体のエネルギーなどと関わる対数的な考え方で表されます。

よく「マグニチュードが1大きくなると、放出エネルギーは約32倍」と説明されます。これは代表的な近似関係による比較で、具体的な地震を測るためには、どの種類のマグニチュードを用いるかなどの条件にも注意が必要です。

ここで大事なのは、マグニチュード5と6の差を、5と6という小さな数値の差だけで受け取らないことです。規模を表す数値は、普段の長さや重さの数字とは違う読み方が必要なのです。

同じマグニチュードでも揺れが違う理由

同じマグニチュードの地震でも、震源が浅いか深いか、観測場所までどれくらい離れているか、地盤の条件はどうかなどによって、揺れは変わります。

例えば、架空の地震XとYのどちらもマグニチュード5だったとします。Xは観測地点に近い浅い地震、Yは遠くで起きた地震なら、その地点での震度が同じとは限りません。

逆に、規模のより大きな地震でも、ある地点から遠い場合は、近くで起きたより小規模な地震より弱く揺れることがあります。

このような例を考えると、「震度とマグニチュードの数が一致するか」を気にするより、「何を、どこで測った数字か」を分けた方が意味のある読み方になります。

ニュースで確認したい三つの情報

地震情報を見るとき、最低限次の三つを分けてみましょう。

  1. 規模:マグニチュードはいくつか。
  2. 位置・深さ:震源はどのあたりで、どれくらい深いか。
  3. 各地の揺れ:自分の地域や周囲ではどの震度が観測されたか。

そして、被害の情報や、気象庁・自治体が発表する防災情報も確認します。震度だけで建物の被害を正確に決めつけることはできません。建物の構造や土地の条件などによって実際の被害は異なります。

津波など別の危険がある場合は、震度や体感した揺れだけで安全を判断してはいけません。ニュースの数字を理解することと、その場の防災行動を判断することは、分けて考える必要があります。

『最大震度』は地震全体の強さではない

ニュースの「最大震度」という言葉にも注意しましょう。これは、観測した地点の中で最も大きい震度を指します。一回の地震によるすべての場所の揺れが、その震度だったという意味ではありません。

例えば「最大震度5弱」と表示されていても、震度4の地点や震度2の地点があり得ます。また、どこにも震度計が置かれていない場所の揺れを、見出しの数字だけで詳しく把握することはできません。

ニュースの見出しを見たら、最大値だけでなく地域ごとの震度分布を確認しましょう。数字を一つ選んで見せることには、情報を短く伝えられる利点があります。一方で、一つの値が地域全体を代表するとは限らないことも覚えておきたいところです。

数字を並べて比べる小さな実験

紙に「地震A:マグニチュード5、観測地点の震度4」と「地震B:マグニチュード6、観測地点の震度3」という架空の情報を書いてみます。Aの震度の数字は大きく、Bのマグニチュードの数字は大きくなっています。

この二つを見て「どちらの地震が大きい?」と問われたら、答える前に何を比較するか決めましょう。地震自体の規模ならB、その観測地点での揺れの強さならAです。比較したい対象を変えるだけで答えが変わるため、「地震が大きい」という曖昧な言葉は使い分けが必要です。

まとめ|地震そのものと、ここでの揺れを分ける

震度とマグニチュードは、同じ物差しの単位違いではありません。マグニチュードは地震の規模、震度はその場所での揺れの強さです。

ニュースの数字を見たら「どの場所の値なのか」「何を表しているのか」と問い直してみてください。二つの数字を混同しなくなるだけで、地震情報の意味がずっと分かりやすくなります。

参考資料

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