「あと5分」が続くと一日が変わる? 小さな時間差を数えてみる

動画をもう5分だけ見よう。出かける前に、あと5分だけ横になろう。一回の5分は短く感じますが、何度も続くと予定が押すことがあります。ただし「5分を何回も使ったから全部無駄だった」と考える必要もありません。大切なのは、積み重なった時間が何を後ろへ動かしたかです。

一回の延長と、一日の予定全体を分けて考えてみましょう。

5分が六回なら30分です

架空の一日で、動画を見終える時刻を5分延ばすことが6回あったとします。単純に5×6=30分です。一週間に同じことが5日あるなら、30×5=150分、2時間30分になります。

でも、この計算から「一週間で2時間30分の自由時間を失った」とは限りません。動画を見ること自体を楽しみとして選んだなら、それも自由時間の使い方です。問題になるのは、見たかった動画よりも大切な予定が後ろへずれたり、寝る時間を削ったりして、本人が困っている場合です。

数字を足して時間を見えるようにすることと、その時間を良い・悪いと評価することは別です。

「予定の遅れ」は足し算どおりにならない場合がある

例えば電車が10分おきに出るとします。家を出るのが5分遅れた結果、予定の電車に間に合わず、次の電車まで10分待つことになったかもしれません。ここでは5分の延長が、到着時刻を10分遅らせる原因になる場合があります。

逆に家を出るのが5分遅れても、予定の電車へ余裕で間に合うなら、到着時刻は変わりません。だから「5分遅れ=必ず到着5分遅れ」という単純な式にはなりません。

学校の始業時刻、店の予約、友達との待ち合わせなど、決まった時刻がある場面では、小さな時間差が結果を大きく変えることがあります。時間の長さだけでなく、いつ発生するかも重要です。

前の遅れが次の遅れを作る

架空の予定として、16時から15分間の片づけ、16時15分から20分間の宿題、16時35分から10分間の身支度をするとします。片づけが5分延び、宿題も5分延び、身支度も5分延びれば、順番に続けて行う場合は最後の終了時刻が15分遅れます。

しかし宿題を始める前に10分の余白があれば、最初の5分の遅れはそこで吸収できます。終了時刻の遅れは、必ずしも全部足されるわけではありません。余白の有無で結果が違います。

予定表を見るときには、活動の長さだけでなく、次の活動を必ずその時刻に始めなければならないかを確かめます。余白のある予定と、つながった予定では、同じ5分の影響が違います。

どの5分を守りたいのかを決める

毎日時間を正確に守ることが目的になると、少し遅れただけで気持ちが疲れるかもしれません。そこで、時間を守る必要が高い活動と、少し動かせる活動を分けてみます。

例えば電車に乗る時刻は動かせませんが、帰宅してから読む本の時刻は調整できるかもしれません。「家を出る前だけ動画を延長しない」と決めれば、ほかの自由時間まで厳しく管理しなくてもよいでしょう。

守るべき時刻を減らすことは、だらしなくなることとは違います。重要な時刻を守るために、優先順位をつける方法です。

実験:一週間の「あと5分」を記録する

一週間、予定を延ばした場面だけを書きます。何回延ばしたか、実際には何分延びたか、次の予定に影響したかの三つです。「あと5分」と言いながら実際には3分で終えた場合もあるでしょう。言葉ではなく実測した時間を記録します。

例えば月曜は動画10分延長・影響なし、火曜は出発前5分延長・電車を逃した、水曜は読書5分延長・影響なしという結果だったとします。単純に時間を足すだけでなく、どの場面が自分にとって困りやすいか分かります。

その後、影響が大きかった一場面だけ変えてみましょう。出発前の通知を切る、持ち物を前夜に準備する、終える時刻の5分前に知らせるなど、方法はいくつかあります。自分で選び、結果を確かめます。

休憩の5分は「悪い延長」とは限りません

難しい問題を考え続けた後、5分間立ち上がって気分を変えることは、次の活動に入る準備になるかもしれません。すべての5分を無駄とみなすと、休息まで削ってしまいます。

ここでも目的を確かめます。続けたい活動を自分で選んで5分延ばしたのか、やめたいのにやめられず延びたのか。外から見れば同じ5分でも、本人にとっての意味は違います。

「延びたことが問題なのか」「次の予定を守れなかったことが問題なのか」を区別すると、無理に自分の生活を秒単位で管理しなくても、改善する場所を見つけられます。

休憩の回数が増えると、延長時間も変わります

例えば勉強25分、休憩5分を四回繰り返す予定を立てたとします。勉強は合計100分、休憩は合計20分、合わせて120分です。休憩が5分ずつ延びた場合、4回すべてで5分延長したなら追加20分になります。しかし、最後の休憩は実施しない予定なら追加は15分です。

計画を比べるときは、「何回休憩したか」「どの休憩を延ばしたか」を確かめます。単純な掛け算は便利ですが、回数を数え違えると結果も変わります。また、休憩を短くしたら必ず勉強の成果が増えるわけではありません。自分が実際に集中できていたか、次の活動を始められたかも合わせて見ます。

予定に少し余白を残すことを「何もしていない無駄な時間」と考える必要はありません。急な予定変更に対応できる時間にも価値があります。予定を詰め込みすぎて毎回遅れるなら、活動を速くするより余白の置き方を変える方が役立つ場合があります。

まとめ

小さな時間の延長は、回数が増えれば合計が大きくなります。ただし、何分増えたかと、何に影響したかは別の問いです。予定に余白があるか、逃せない時刻があるか、自分がその活動を望んだかまで見ると、直したい「あと5分」を選びやすくなります。

おすすめの記事