連立方程式の解き方|加減法と代入法を「消すか置き換えるか」で選ぶ

連立方程式は、二つの式を同時に満たすx、yを求める問題です。加減法と代入法を別々の手順として暗記するより、一つの文字を消すのが加減法、一つの文字を別の式で置き換えるのが代入法と考えると、どちらを選ぶか判断しやすくなります。

加減法は係数をそろえて一文字を消す

x+y=7
x-y=1

なら、二式を足すとyが消えます。

2x=8

なのでx=4。

元の式へ代入してy=3です。

答えは

(x,y)=(4,3)

です。

係数がそろっていなければ式を倍する

2x+y=7
x+2y=8

yを消したいなら、上の式を2倍して

4x+2y=14

とします。

そこから下の式を引くと、

3x=6

なのでx=2。

2x+y=7 へ戻して、

4+y=7

よりy=3です。

代入法は一文字がすでに孤立していると便利

y=2x+1
x+y=10

なら、二つ目のyを 2x+1 に置き換えます。

x+(2x+1)=10
3x=9

x=3、y=7です。

yが最初から表されているので、代入法が自然です。

どちらを使ってもよい問題も多い

同じ連立方程式を加減法でも代入法でも解ける場合があります。

「この形なら絶対加減法」と機械的に決める必要はありません。

ただし、

  • 係数が簡単にそろう → 加減法
  • x=…、y=…の形がある → 代入法
    と見ると計算量をかなり大きく減らせます。

よくある誤り:片方の式だけ倍する場所を間違える

式を2倍するときは、左辺の一部だけでなく式全体を2倍します。

2x+y=7

を2倍するなら、

4x+2y=14

です。

4x+y=7 ではありません。

等式の左右へ同じ操作をする原則を保ちます。

符号が同じなら引く、反対なら足す

yの係数が
+3と+3なら引けば消えます。

+3と-3なら足せば消えます。

「加減法だから必ず足す」のではありません。

目的は足し算・引き算をすることではなく、一つの文字の係数を0にすることです。

分数があるなら先に整数へ直すこともできる

x2+y=4

のような式なら、両辺を2倍して

x+2y=8

としてから連立処理すると計算しやすい場合があります。

ただし、倍するときは全項を忘れずに処理します。

解が出たら必ず二式へ戻す

x=2、y=3が出たら、片方だけでなく二つの式へ代入します。

2x+y=7 ⇒ 4+3=7
x+2y=8 ⇒ 2+6=8

両方成立します。

連立方程式の解は、二つの条件を同時に満たす必要があります。

解がない場合もある

x+y=3
x+y=5

は同時に成立しません。

同じ左辺が別の値に等しいため、解なしです。

グラフなら平行な二直線に対応します。

解が無数にある場合もある

x+y=3
2x+2y=6

二つ目は一つ目の2倍です。

実質的に同じ条件なので、一つの交点へ絞れません。

グラフなら同じ直線が重なります。

文章題では文字の意味を先に決める

大人x人、子どもy人のように置いたら、その意味を最後まで変えません。

式を解く前に、

  • 人数
  • 金額
  • 個数
  • 距離
    など単位を書きます。

解が出ても、負の人数など問題場面に合わない値なら条件を再確認します。

問題:合計10個、合計760円

100円の商品x個、60円の商品y個を合わせて10個、合計760円とします。

x+y=10
100x+60y=760

上の式を60倍して

60x+60y=600

下の式との差を取ると、

40x=160

x=4、y=6です。

検算すると個数10、金額400+360=760です。

グラフで見ると「二条件の交点」

x+y=7

と

x-y=1

をそれぞれ直線として描くと、交点(4,3)が両方を満たします。

加減法・代入法は、この交点を式で求める方法だと見ることができます。

次は「どの文字を消すと楽か」を先に判断する

問題を見たら計算前に、

  1. 係数が同じ・反対の文字はあるか
  2. 1回の倍でそろう文字はどれか
  3. すでにx=…、y=…の形はあるか
    を確認します。

加減法か代入法を先に決めるのではなく、計算を短くできる変形を選ぶことが、初見問題での安定につながります。

途中で分数が出ても「失敗」とは限らない

連立方程式を解くと、途中や答えに分数が出ることがあります。

整数にならないから計算ミスだと決めず、元の式へ代入して確かめます。

たとえば

x+y=1,  x-y=12

なら、加えると 2x=32 なので x=34、y=14 です。

整数だけが正解という思い込みを捨て、二つの式を同時に満たすかで正誤を判断します。

消去する文字は毎回同じでなくてよい

xを消すかyを消すかは、係数を見て楽な方を選びます。たとえばxの係数が2と4、yの係数が5と-5なら、yは足すだけで消えます。

「いつもxを消す」と固定すると、不要な倍数計算が増えます。消す文字も解法の一部として選ぶと計算量を減らせます。

参考資料

  • 文部科学省「中学校学習指導要領・解説」
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