
室町幕府の将軍は足利氏が担い、初代の足利尊氏から15代の足利義昭まで続きます。ただし、15人の名前を同じ重さで暗記するより、幕府の成立・南北朝の統一・権力の最盛期・応仁の乱・幕府終焉という流れの中で将軍を見る方が歴史を理解しやすくなります。
室町幕府の将軍を一覧で確認する
学習用に大きな流れを見ると、次のように整理できます。
| 代 | 将軍 | 覚えるときの手がかり |
|---|---|---|
| 1 | 足利尊氏 | 幕府成立の中心 |
| 2 | 足利義詮 | 尊氏の後を継ぐ |
| 3 | 足利義満 | 南北朝合一、幕府権力の強化 |
| 4 | 足利義持 | 義満後の政治 |
| 5 | 足利義量 | 在職期間が短い |
| 6 | 足利義教 | 将軍権力強化を進める |
| 7 | 足利義勝 | 若くして死去 |
| 8 | 足利義政 | 応仁の乱期、東山文化 |
| 9 | 足利義尚 | 義政の子 |
| 10 | 足利義稙 | 将軍職への復帰も経験 |
| 11 | 足利義澄 | 政争の中で将軍に |
| 12 | 足利義晴 | 戦国期の不安定な政治 |
| 13 | 足利義輝 | 戦国期の将軍 |
| 14 | 足利義栄 | 在職期間が短い |
| 15 | 足利義昭 | 織田信長との対立、幕府終焉へ |
一覧は位置を確認する地図として使い、細かな人物評価は資料に基づいて学びます。
まず1代・3代・8代・15代を軸にする
最初から15人を同じ方法で覚えると、義の付く名前が続いて混乱します。
そこで、
- 1代尊氏:幕府成立
- 3代義満:南北朝の合一、政治の安定・権力強化
- 8代義政:応仁の乱の時代、東山文化
- 15代義昭:室町幕府の終わり
を大きな柱として置きます。
その間に「誰がいたか」を後から埋めると、将軍名が時代の流れから浮きません。
3代義満はなぜ重要なのか
足利義満の時代には南北朝が合一され、幕府の政治的な力が強まります。明との関係や北山文化など、政治だけでなく外交・文化の学習ともつながります。
ここで「義満=金閣」だけにすると、建物名だけの暗記になります。将軍権力がどう安定した時期か、その時代の外交や文化がどう関係するかを同じ年表上へ置きます。
8代義政の時代は「将軍一人が乱を起こした」と単純化しない
応仁の乱の背景には、将軍家の後継問題だけでなく、有力守護大名の対立など複数の要因があります。
義政の名前だけを原因として覚えるのではなく、幕府内部や有力大名の関係が複雑化していたことを見る必要があります。
一方、義政の時代には東山文化が発展します。政治の不安定さと文化史を別々の箱にせず、同じ時代に起きていたこととして並べます。
15代義昭で「幕府が終わる」ところまでつなぐ
足利義昭は織田信長の支援を受けて将軍となりましたが、その後対立し、京都から追放されます。一般に1573年を室町幕府の終わりとして学習します。
ただし、将軍が交代するたびに幕府の制度が全部作り直されたわけではありません。将軍個人の権力、有力大名との関係、地方支配の実態を分けて考えます。
「15代まで続いた」という数字だけでは、途中で幕府の力がどう変化したかは分かりません。
同じ「義」が多いときは名前の形だけで覚えない
義満、義持、義教、義政、義昭など、似た名前が続きます。漢字の並びだけを暗記すると入れ替わります。
人物ごとに一つの出来事を対応させ、さらにその出来事を時代の位置へ置きます。
たとえば、
義満→南北朝合一
義政→応仁の乱・東山文化
義昭→幕府終焉
のように、名前から出来事を一方向に思い出すだけでなく、出来事から名前も答える練習をします。
将軍一覧だけで室町時代を説明しない
室町時代の歴史は、将軍だけで動いたわけではありません。守護大名、国人、農民、都市、寺社、商人、地方勢力など、さまざまな主体があります。
将軍一覧は政治史の軸の一つです。社会・経済・文化・地方の変化を学ぶときは、それぞれの資料を重ねます。
将軍名を全部覚えたから室町時代を理解した、とは考えないことが大切です。
練習は「代数→人物」だけでなく逆向きにもする
次の問いに答えます。
- 南北朝の合一と結びつく将軍は? → 義満
- 応仁の乱の時期の将軍は? → 義政
- 幕府終焉と結びつく将軍は? → 義昭
- 義満は何代? → 3代
- 義昭は何代? → 15代
数字、人物、出来事を三角形にして往復します。
次は将軍の「強さ」を一本の線だと思わない
「初めは弱く、義満で強くなり、その後ずっと弱くなる」という一本線だけでは説明できません。将軍ごとの政策や有力大名との関係、京都と地方の状況は変化します。
年表を見るときは、将軍名の列の横に、政治事件・文化・地方の動きを別列で置くと、同じ時代に何が重なっていたか見えます。
一覧は暗記の終点ではなく、資料を置くための骨組みとして使ってください。
将軍の在職年だけで勢力を判断しない
同じ「将軍」という役職でも、実際に政治を動かせる範囲や有力大名との力関係は時期によって違います。長く在職したから強い、短いから弱い、と在職年数だけで評価することはできません。
人物一覧を使うときは、その将軍の時代に幕府内部・守護大名・地方社会で何が起きていたかを一つずつ丁寧に重ねて見ます。すると将軍名が単なる順番ではなく、政治構造の変化を置く時間軸になります。
参考資料
- 国立国会図書館「日本の歴史に関する資料」
- 文部科学省「中学校学習指導要領・解説」


