
3分実験:相手が使った言葉を、一つだけ返してみる
まずやってみる
相手が言いました。
「最近、韓国ドラマを見ています」
まずは普通に、
A
「へえ」
次は、
B
「へえ、韓国ドラマですか」
比べてみてください。
質問は増えていません。新しい情報も足していません。
Bで増えたのは、相手が使った「韓国ドラマ」という言葉だけです。
1
Aを声に出して読んでみます。
「へえ」
そこで一度、会話を止めてみてください。
2
次にBです。
「へえ、韓国ドラマですか」
こちらも質問を続けず、そこで止めます。
3
相手の立場なら、そのあと何か一言続けやすいのはどちらかを考えてみてください。
答えは一つとは限りません。
ここから種明かし
Bは、会話を大きく広げてはいません。
相手が出した言葉を、一つ返しただけです。
でも、「韓国ドラマ」という一部分が、もう一度会話の表面に出てきました。
すると、
「最近この作品を見ていて」
「友達に勧められたんです」
「今すごくハマっていて」
など、その部分から続きを出せる可能性があります。
「へえ」だけでは消えかけていた話題を、一語でもう一度置き直したとも言えます。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 相手が出した言葉 | 韓国ドラマ |
| A | 「へえ」 |
| B | 「へえ、韓国ドラマですか」 |
| Bで増えたもの | 相手の言葉をもう一度、会話の中に置いたこと |
| 新しい話題 | 増やしていない |
コミュニケーションで見ると?
会話を広げるというと、「良い質問をしなければ」と考えやすくなります。
でも、広げる前に、今ある話題を消さないという動きもあります。
相手の言葉を少し返すだけなら、まだ次の方向を決めすぎません。
こちらから質問を投げる前に、相手がもう一言続ける余地も残ります。
脳のOSで見ると?
部分→全体
今回は、相手の発言全部を扱っていません。
「韓国ドラマ」という一部分だけを取り出しました。
その小さな部分をもう一度置くことで、そこから作品、きっかけ、感想、俳優、最近の過ごし方など、より大きな話へつながる可能性が生まれます。
小さな手がかりから、会話全体をもう一度動かす。
これが今回の頭の操作です。
もう一度だけ
次は、
「最近、パン作りを始めたんです」
に対して、「へえ」だけの返答と、相手の言葉を一つ足した返答を作ってみてください。
質問は、まだしなくて構いません。

