
3分実験:質問の前に、一言だけ置いてみる
まずやってみる
相手が言いました。
「先週、京都に旅行してきました」
二つの返しを比べます。
A
「どこへ行ったんですか?」
B
「いいですね。どこへ行ったんですか?」
質問そのものは、ほぼ同じです。
違うのは、質問の前に、
「いいですね」
が入ったことです。
1
Aだけを読んでみます。
「どこへ行ったんですか?」
特におかしな返答ではありません。
2
次にBです。
「いいですね。どこへ行ったんですか?」
質問する前に、相手の発言を一度受け取っています。
3
今度は、
「最近、新しいゲームを買ったんです」
に対して、質問だけの返答と、一言反応してから質問する返答を作ってみてください。
ここから種明かし
今回変えたのは、質問内容ではありません。順番です。
Aは、
相手の発言
→ 質問
Bは、
相手の発言
→ 反応
→ 質問
になっています。
ほんの一工程増えただけです。
しかし会話では、「何を言うか」だけでなく、どの順番で置くかによっても印象が変わります。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| A | 発言→質問 |
| B | 発言→反応→質問 |
| 質問内容 | ほぼ同じ |
| Bで増えたもの | 相手の発言を受け取った反応 |
| 動かしたもの | 返答の順序 |
コミュニケーションで見ると?
質問そのものが悪いわけではありません。
相手について知ろうとすれば、質問は必要です。
ただ、
質問
→質問
→質問
→質問
だけになると、相手から見ると「答え続ける会話」になることがあります。
質問を減らさなくても、受け取る → 聞くという二段階に変えるだけで、会話の形は少し変わります。
重要なのは、「質問するな」ではなく、質問が返答の中でどこに置かれているかを見ることです。
脳のOSで見ると?
論理の運び
通常は文章や説明のつながりを見るときにも使える考え方ですが、会話にも運びがあります。
今回比較したのは、
発言 → 質問
と、
発言 → 反応 → 質問
です。
使っている材料は大きく変わっていません。変えたのは、その材料をどうつないだか。
会話でも、AからBへどう移るかという途中の一歩を見ると、自然さを調整できることがあります。
もう一度だけ
次の発言に返してください。
「昨日、ライブに行ってきたんです」
まず質問だけ。
次に、一言受け取ってから同じ質問をしてみてください。

