英語の比較級|-erとmoreを丸暗記する前に「比べる軸」を決める

英語の比較級は、二つのものを同じ観点で比べ、「Aの方がBより〜だ」と表す形です。taller や more interesting の形だけを先に覚えると、どの単語を変化させればよいか、何と何を比べているかが分からなくなります。まず「比べる軸」を決め、その後で比較級の形を選ぶ方が安定します。

比較級は「二つ+一つの観点」で読む

Ken is taller than Taro. なら、比べているのは Ken と Taro、観点は tall(背の高さ)です。This book is more interesting than that one. なら、比べているのは二冊の本、観点は interesting(面白さ)です。

つまずきやすいのは、than が見えた瞬間に「比較級の問題だ」とだけ反応し、文全体の意味を見なくなることです。比較級の中心は語尾変化ではありません。誰と誰、何と何を、どの性質で比べているかを先に押さえます。

文を読むときは、A / 比較する性質 / than B の三つに線を引くと整理できます。形が複雑でも、この骨格は変わりません。

-er と more は「一つのルールだけ」で決まらない

短い形容詞では tall → taller、small → smaller のように -er を付けるものが多くあります。長めの形容詞では interesting → more interesting、careful → more careful のように more を使うものがあります。

ただし、「文字数が○文字なら必ずmore」のような機械的な覚え方は危険です。happy → happier のように語尾が変化するものもあり、good → better、bad → worse のような不規則変化もあります。学校で扱う基本語は、実際の形を例文と一緒に覚える必要があります。

間違えやすいのは more taller のように二重に比較の形を作ることです。基本は taller か more ... のどちらかです。語形だけを丸暗記せず、その形容詞がどう比較級になるかを確認します。

thanの後ろは「比較される相手」

My bag is heavier than yours. では yours が比較される相手です。日本語では「私のバッグはあなたのより重い」と訳せます。

ここで than を「〜より」という一語だけで覚えると、長い文で迷います。たとえば English is easier for me than math. なら、比べているのは English と math で、観点は「自分にとっての易しさ」です。for me は比較する人の条件を足しています。

比較級の文で迷ったら、まず than の左右を見て、同じ種類のものが比べられているか確認してください。人と場所、時間と物など、比べる対象がずれていたら文の組み立てを見直します。

ミニ練習:形ではなく「軸」を答える

次の文について、比較している二つと、比べる軸を答えてください。

  1. This river is longer than that river.
  2. Math is more difficult than science for me.
  3. Today is colder than yesterday.
  4. My new phone is better than my old one.

1は二つの川を length の観点で比較、2は math と science を difficulty の観点で比較、3は today と yesterday の気温、4は new phone と old phone を総合的な良さで比べています。

次に、自分で一文作ります。「教室にある二つの物」「二つの教科」「今日と昨日」のどれかを選び、まず日本語で比べる軸を決めてから英語にしてください。

比較級を使わない方が自然なときもある

比較級は二つの差を言いたいときに便利ですが、単に性質を述べたいだけなら普通の形容詞で足ります。This room is big. は「この部屋は大きい」であり、何かと比較していません。

また、二つが同程度だと言いたいなら比較級ではなく as ... as が適切な場合があります。三つ以上の中で「最も〜」を言うなら最上級が中心になります。何を言いたいかが先、文法の形は後です。

比較級・最上級・同等比較を一気に覚えようとして混同する場合は、まず「二つの差」「同じくらい」「集団の中の一番」の三場面を分けてください。

よくある間違いを原因別に直す

more taller と書いたなら、比較の印を二つ付けたことが原因です。than の後ろがおかしいなら、比べる相手がずれている可能性があります。gooder と書いたなら、不規則変化を普通の語と同じ扱いにしたことが原因です。

間違いを「比較級が苦手」でまとめず、語形・比較相手・比較軸のどこで崩れたかを分類すると、練習量を増やす前に直す場所が分かります。

次にやること:5文を「比較の設計図」に戻す

教科書や問題集から比較級の文を5つ選び、各文の下に A / 軸 / B / 比較級の形 の四項目を書いてください。そのあと、AとBを別のものに替えて文を作り直します。

別の文・別の形容詞でも、二つの対象と一つの比較軸を先に決める考え方は持ち運べます。-er と more は、その意味を英語の形に直す最後の工程だと考えると、比較級は暗記の一覧から「比べるための文法」に変わります。

参考資料

  • 文部科学省「中学校学習指導要領解説 外国語編」
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