中学受験「太陽の動き」|影を追うと方角と時刻がつながる

太陽の動きの問題は、「東から出て西に沈む」だけを覚えても、影や南中高度の問題で止まります。まず、太陽が見える方向と影が伸びる方向は反対と押さえ、朝・正午ごろ・夕方の変化を一枚の図でつなげます。

太陽は東の空から西の空へ動いて見える

日本では、太陽はおおむね東の空から昇り、南の空を通って西の空へ沈むように見えます。

これは地球の自転による見かけの動きです。

問題では方位が図に書かれていないこともあるため、北・南・東・西を先に記入します。

影は太陽と反対側にできる

朝、太陽が東側にあれば、棒の影は西側へ伸びます。

夕方、太陽が西側にあれば、影は東側へ伸びます。

太陽の位置を直接覚えられなくても、影の向きから反対側に太陽があると逆算できます。

影→反対方向→太陽の順に考えるのが基本です。

正午ごろは影が短くなる

太陽が空の高い位置にあるほど、同じ棒でも影は短くなります。

日本付近では、太陽が南中するとき南の空で最も高くなり、その前後で影は短くなります。

ただし「12時00分なら必ず正確に南中」とは限りません。場所や日付、標準時との関係があります。

中学受験の基本問題では、南中時刻や条件が与えられているか確認します。

影の先を時刻ごとに記録すると曲線になる

地面に立てた棒の影の先を一定時間ごとに記録すると、影の向きと長さの変化を追えます。

朝は長く、西寄りへ伸び、太陽が高くなるにつれて短くなり、その後また長くなります。

記録点を時間順に結ぶことで、太陽の見かけの動きを影から読み取れます。

季節で南中高度が変わる

日本のような北半球の中緯度では、夏は冬より太陽の南中高度が高くなります。

同じ場所・同じ高さの棒なら、太陽が高い夏の方が南中時の影は短く、冬は長くなります。

「夏は暑いから影が短い」のではありません。太陽高度の違いが直接の幾何的な理由です。

日の出・日の入りの方位も季節で変わる

「太陽はいつでも真東から出て真西に沈む」と覚えるのは正確ではありません。

真東から昇り真西に沈むのは春分・秋分ごろの基本的な関係です。

季節によって日の出・日の入りの方位は北寄り・南寄りへ変化します。

問題で季節を問われたら、この変化も手掛かりになります。

問題1:朝の影が西へ伸びている

影が西なら、太陽は反対の東側です。

したがって朝の可能性が高いと考えます。

ただし地形や建物の影ではなく、太陽光による棒の影という条件を確認します。

問題2:影が最も短い時刻

同じ日の同じ場所で、棒の影が最も短い時刻は、太陽高度が最も高い南中付近です。

「時計の12時」と機械的に答えず、選択肢・観測条件を見ます。

問題3:夏と冬の影を比べる

同じ棒を同じ場所で南中時に観測します。

夏の方が太陽高度が高いので、影は短い。
冬の方が高度が低いので、影は長い。

この関係を図にすると、棒・太陽光・影で直角三角形が作れます。

よくある誤り:影が動く向きと太陽の動きを同じにする

太陽が東から西へ動くように見えるとき、影は反対側を向きながら変化します。

影の先が動く経路だけを見て、太陽も同じ方角にあると思わないようにします。

毎回、棒を中心に反対方向へ線を延ばします。

方位磁針と影の記録を組み合わせる

実験問題では、影だけでなく方位磁針で方角を確認します。

地面の紙に北を記録し、その上で影の先を時刻ごとに印します。

方位を先に固定すると、紙の向きが変わっても東西南北を失いません。

地球の自転とつなげる

太陽が毎日東から西へ動くように見えるのは、地球が西から東へ自転しているためです。

「太陽が地球の周りを一日で回っている」と説明しないようにします。

観察される見かけの動きと、その原因である地球の運動を分けます。

練習は図を回転させて解く

問題用紙で北が上とは限りません。

方位記号を確認し、東・西・南を書き足します。

次に影から太陽を逆算します。

図の向きが変わっても、影と太陽が反対、南中高度と影の長さが逆の関係は変わりません。

次は一つの影から三つ答える

影の向き・長さ・時刻の情報が一つ与えられたら、

  • 太陽はどちら側か
  • 太陽は高いか低いか
  • 朝・南中付近・夕方のどこか
    を答えます。

さらに季節情報があれば、南中高度や日の出方位とつなげます。

太陽の動きを複数の暗記事項ではなく、太陽位置→光→影という一つの幾何関係で持つと、初見の図でも解きやすくなります。

太陽高度は「影の長さだけ」で正確な角度まで決められない

影が短いほど太陽が高い、長いほど低いという大小関係は読めますが、棒の高さが分からなければ正確な太陽高度は計算できません。

棒の高さと影の長さが与えられ、三角比を使う学年なら角度計算へ進めますが、中学受験の基本では比や図から大小を比較する問題が中心です。

「影が5cmだから太陽高度は○度」と、必要な条件なしで角度を決めないようにします。

南北半球や緯度が変われば見え方も変わる

日本を前提にした基本問題では、南中する太陽を南の空で考えます。しかし地球上のどこでも同じ見え方とは限りません。

問題に外国の地点や特別な緯度条件が出る場合は、普段の「日本なら南」という知識をそのまま当てはめず、地点条件を読みます。

問題がどの場所を前提にしているかまで確認してから図を描くことが大切です。

参考資料

  • 文部科学省「小学校学習指導要領・解説」
  • 文部科学省「中学校学習指導要領・解説」
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