出来事を説明するのと、エピソードとして話すのでは何が違う?

3分実験:一文の報告に、一往復だけ足してみる

まずやってみる

まず、こんな話があります。

A

「昨日、店員さんと少し雑談しました」

何が起きたかは分かります。

次は少しだけ変えます。

B

「昨日、いつもの店で店員さんに『寒いですね』と言ったら、『本当に寒いですね。今日は外に出たくないですよ』って返ってきて、少し雑談しました」

出来事そのものは、ほぼ同じです。

1

Aから分かることを挙げてみます。

  • 昨日
  • 店員と
  • 雑談した

2

Bでは、

  • どこで
  • 誰が最初に話したか
  • 実際にどんな言葉が出たか

が増えています。

3

では、

「友達と面白い話をした」

という一文に、実際の一往復だけ足してみてください。

ここから種明かし

Aは、出来事をまとめています。

Bは、その出来事の中の一場面を見せています。

急いで報告するなら、「店員と雑談した」で十分です。

でも、「どんな雑談だったの?」を伝えたいなら、一場面が必要になります。

つまり、説明とエピソードでは、見せる細かさが違うわけです。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
A 店員と雑談した
B 実際の一往復まで見せる
Aの特徴 出来事を短くまとめる
Bの特徴 場面を具体的に再現する
共通点 同じ出来事を扱っている

コミュニケーションで見ると?

エピソードトークというと、長く面白い話を作らなければならないように感じることがあります。

でも、最小単位まで小さくすると、「具体的な一場面を一つ入れる」だけでも違いが出ます。

「旅行でいろいろありました」より、「ホテルに着いたら予約日を一日間違えていたんです」の方が、相手は場面を想像しやすくなります。

長さよりも、どこまで具体的な場面が見えているかが関係します。

脳のOSで見ると?

ストーリー化

出来事を、「店員と雑談した」という要約だけで置くのではなく、

いつもの店
「寒いですね」
相手の返答

と時間の流れを持つ場面として見せました。

さらに、具体⇄抽象変換で要約から具体場面へ下り、全体→部分で出来事全体から「見せる一場面」を取り出しています。

エピソードを作ることは、何もないところから面白い話を発明するだけではありません。

すでに起きた出来事の中から、どの場面を見せるかを選ぶことでもあります。

もう一度だけ

次の一文を使います。

「昨日、仕事でちょっと焦ることがありました」

その出来事の中から、一場面だけを取り出して二〜三文にしてみてください。

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